「売買契約の見方」のシリーズでも説明をしましたが、今回はもう少しこれを掘り下げたいと思います。
売買契約(一般ユーザ × 一般ユーザー)の約款には「売主の瑕疵担保責任」は3ヶ月~6ヶ月の期間設定がされるのが慣習となっています。
しかし、民法上は「買主がその瑕疵を発見して1年以内」に売主に対して行使できます。
ここで注意頂きたいのは、「発見して1年以内」という部分です。民法上は売買契約時点からいつまで売主が責任を負わなければならないかの決まりはありません。
これでは、あまりにも売主が不利なため、慣習として売買契約時点から3ヶ月~6ヶ月ぐらいの期間の設定で売主が、瑕疵担保責任を負うという取り決めをします。
逆に言いますと、瑕疵担保の責任を負う期間の設定が契約書に明記されていない場合、売主は半永久的に買主が瑕疵を発見して1年以内に申し出があったものについて責任を負うことになります。
一般ユーザー同士の契約の場合は、民法の規定外の取り決めを行ってもそれが「有効」となります。
ところが、売主が宅建業者の場合に契約書に「売主の瑕疵担保責任は3ヶ月とする」という取り決めをした場合はどうなるでしょう?
宅地建物取引業法上では、業者が売主の場合2年以上の期間にて瑕疵担保責任を負わなければならい規定があります。この規定より「買主」に対して不利な取り決めを行った場合、民法が適応されることになります。
いずれにしても購入側から見れば非常に大事な部分ですので契約条項「瑕疵担保」の部分は充分確認ください。